転職エージェントとは?仕組みと無料で使える理由
転職エージェントは、企業の求人と転職希望者を“人の力”でマッチングするサービスです。エージェントのキャリアアドバイザーが希望者の経歴や希望条件をヒアリングし、条件に合う求人情報を紹介してくれます。転職活動のプロが間に入ってサポートしてくれるため、初めての転職でも心強い存在です。
サービスを利用する転職者にとって大きな魅力は完全無料であることです。なぜ無料で利用できるかというと、転職エージェントは採用が決まった際に紹介先の企業から成功報酬(コンサルティングフィー)を受け取るビジネスモデルになっているからです。法律上も転職者から料金を取ることが禁じられており、企業側が報酬を負担する仕組みのため、求職者は無料で手厚い支援が受けられるのです。
登録から内定までの基本的な流れ
転職エージェント利用時の基本的な流れは、「会員登録 → 面談・求人紹介 → 応募・書類選考 → 面接 → 内定・入社」の5ステップです。登録から入社までは一般的に約3か月ほどかかるとされています。それぞれのステップを順を追って見てみましょう。
- 会員登録(無料):まず公式サイトから会員登録を行います。現在の職歴や希望条件、連絡先などを入力します。
- キャリアアドバイザーとの面談・求人紹介:登録後、担当アドバイザーとの面談日程が調整されます。面談では経歴やスキル、転職理由、希望条件などを詳しくヒアリングされ、内容をもとにマッチする求人を紹介してもらいます。希望に合った求人があれば応募に進みます。
- 応募・書類選考:応募する企業が決まったら、エージェント経由で応募手続きを行います。履歴書・職務経歴書の提出後、企業側で書類選考が行われます(エージェントが書類の添削をしてくれる場合もあります)。
- 面接(選考):書類選考を通過すると、企業との面接日程をエージェントが調整してくれます。面接前にはアドバイザーが想定質問や受け答えのコツをアドバイスしてくれるほか、模擬面接を実施するエージェントもあります。面接後は合否の連絡もエージェント経由で受けます。
- 内定・入社:見事内定を獲得したら、給与や入社日の調整もエージェントが代行します。条件交渉や円満退職のアドバイスも受けつつ、納得できれば内定承諾となり入社手続きを進めます。入社後のフォローを行うエージェントもあります。
以上が基本的な流れです。エージェントは求人紹介から応募手続き、面接日程調整、内定後のフォローまで一貫して支援してくれるため、転職活動全般を効率的かつ安心して進めることができます。
20代が転職エージェントを使うメリット
20代、とくに初めての転職や第二新卒の方にとって、転職エージェントを利用するメリットは数多くあります。プロのサポートを受けることで転職成功の可能性が高まるだけでなく、自分一人では得られない情報や気づきを得ることができます。主なメリットをまとめると次のとおりです。
- キャリアの方向性を一緒に整理できる: 20代は社会人経験が浅く可能性が広い分、「中長期的なキャリア形成」を考えることが重要です。エージェントに相談すれば、これまで様々な年代・業界の転職支援を行ってきたプロの視点から、将来を見据えたアドバイスを受けられます。「やりたいことがわからない」という場合でも、対話を通じて転職目的を明確にし、自分の進む方向性を整理してもらえます。
- 業界・企業の内情や非公開求人の紹介: エージェントは求人票には載らない企業風土や待遇、採用傾向など内部情報にも精通しています。また一般には公開されていない非公開求人も多数保有しており、エージェント利用者だけがそうした求人を紹介してもらえるメリットがあります。自分では調べにくい情報や出会えない好条件の求人にアクセスできるのは大きな利点です。
- 経験が浅くても強みやアピールポイントを見出してくれる: 「社会人経験が短くアピール材料がない…」と不安に思う第二新卒や20代前半の方も、エージェントと一緒に経歴の棚卸しや自己分析を行うことで、自分では気づかなかった強みを発見できることがあります。過去の経験を整理し、効果的な自己PR方法を具体的にアドバイスしてもらえるため、自信を持って選考に臨めるようになります。
- 選考スケジュール調整や条件交渉まで任せられる: 面接の日程調整や内定後の待遇交渉など、個人では伝えにくいこともエージェントが代行してくれます。在職中で忙しい20代でも、エージェントが企業とのやり取りを引き受けてくれるので負担が軽減します。また書類の添削や面接対策といった選考サポートも無料で受けられ、これらすべてのサービスを費用ゼロで利用できるのは大きなメリットです。
以上のように、転職エージェントを使えば20代でも不足しがちな経験値をプロのサポートで補い、効率よく転職活動を進めることができます。特に初めての転職では不安も多いと思いますが、エージェントの客観的なアドバイスや励ましが大きな助けになるでしょう。
転職エージェント利用時の注意点・デメリット
メリットが多い転職エージェントですが、一方で利用する際に注意したい点やデメリットも存在します。事前に理解しておくことで、トラブルやミスマッチを防ぎ、より良い転職に繋げることができます。代表的な注意点は次のとおりです。
- 紹介される求人の範囲が限定される可能性: エージェントから紹介される求人は、基本的に担当者が「経歴や希望にマッチしている」と判断したものに限られます。そのため、自分が本当は応募してみたい企業や求人があっても、条件が合わなければ紹介されないケースがあります。求人サイトのように自分で自由に応募先を選べない点はデメリットと言えるでしょう。
- 自分のペースで進めにくい: エージェントは企業とのやり取りや進捗管理を代行してくれる反面、「もっと自分のペースでやりたい」と感じる人もいます。面接の日程調整や結果連絡もエージェント経由で進むため、人によっては窮屈に思えることがあります。転職活動のスケジュール感がエージェント主体になる点は認識しておきましょう。
- 担当者との相性でサポートに差が出る: キャリアアドバイザーも人間ですので、どうしても当たり外れがあります。担当者との相性次第で「提案される求人の質」や「サポートの手厚さ」に差が生じることは否めません。もし「希望とずれた求人ばかり紹介される」「コミュニケーションが合わない」と感じる場合は、遠慮なく担当変更を申し出ることも検討すべきです。
- 担当者からの提案を断りづらい場合がある: エージェントは無料でサポートしてくれている手前、紹介された求人を強く勧められると「断りにくい…」と感じてしまう求職者もいます。無理にすすめてくる悪質なケースは少ないものの、自分の意思を伝えにくい雰囲気になってしまうこともあります。納得できない求人はきちんと断る勇気も必要です。
以上の点に注意しつつ利用すれば、エージェントのデメリットはかなり抑えられます。また後述するように、複数のサービスを併用するなど工夫することでリスクを減らし、自分に合った転職先を見つけやすくなるでしょう。
20代におすすめの代表的な転職エージェントサービスと特徴
日本には数多くの転職エージェントがありますが、ここでは20代の若手層に支持されている代表的なサービスを紹介します。大手の総合型エージェントは求人数が豊富で幅広い業界に対応しており、初めての転職でも安心感があります。それぞれ特徴が異なりますので、自分に合ったサービス選びの参考にしてください。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、人材業界最大手の総合型エージェントで、転職支援実績・求人数ともに国内No.1です。公開求人に加え約26万件以上もの非公開求人を抱えており、とにかく豊富な選択肢の中から探したい20代に最適です。転職者の約8割が利用している定番サービスで、書類添削や面接対策も充実しているため、「初めての転職で不安」という20代にも強くおすすめできます。業界・職種を問わずバランスの取れた求人紹介が受けられるうえ、年齢に関係なく手厚いサポートを受けられる点も魅力です。
doda (デューダ)
doda(デューダ)は、パーソルキャリア社が運営する大手エージェントで、「転職サイト」と「転職エージェント」が一体化したユニークなサービス形態が特徴です。自分のペースで求人検索したい時と、キャリアアドバイザーのサポートを受けたい時とで使い分けができる柔軟さが大きな魅力となっています。実際、20代のオリコン顧客満足度調査で2022年〜2024年連続No.1を獲得しており、若年層からの評価が非常に高いことがうかがえます。自己分析ツールや年収診断、応募書類の自動作成機能などWebサービスも充実しているため、20代の転職初心者でも使いやすいでしょう。年齢を問わずサポートしてもらえる風土があり、20代の利用者満足度がトップクラスの信頼できるエージェントです。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、株式会社マイナビが運営する大手エージェントで、リクルートやdodaに次ぐ規模を持ちます。特に20代前半〜30代前半の若手層の転職サポートに強みがあり、「初めての転職に手厚い」と定評があります。保有求人数ではリクルートに及ばないものの、キャリアアドバイザーの対応がスピーディーで親身だと評判で、必要に応じて求人をある程度絞り込んで提案してくれるため「自分のキャリアの方向性が漠然としている20代」に向いています。中でも面接対策の丁寧さには定評があり、徹底したサポート体制を求める20代にはうってつけのエージェントと言えるでしょう。実際に顧客満足度調査で上位に入る評価を得ており、相談しやすさとフォローの手厚さを重視する人におすすめです。
パソナキャリア
パソナキャリアは、派遣事業でも知られるパソナグループ運営の総合型転職エージェントです。全国47都道府県に拠点を持ち地方求人にも強いほか、特に女性の転職支援に力を入れており、事務職や在宅勤務可能な求人を豊富に取り扱っている点が特徴です。2019年〜2022年のオリコン顧客満足度調査で4年連続1位に選ばれるなど利用者満足度が非常に高く、懇切丁寧なサポートには定評があります。実際に初回面談に1時間半〜2時間かけるなど親身な対応をしてくれるため、転職未経験者でも安心して相談できます。結婚・出産を見据えたキャリア相談や、女性の活躍事例の紹介などきめ細かな支援も行っており、特に20代女性や働き方の希望がある方に心強いエージェントでしょう。もちろん性別を問わず年収アップやキャリアアップの実績も豊富で、丁寧なフォローを望む20代全般におすすめです。
初めて転職エージェントを使う人への効果的な活用法・アドバイス
最後に、20代で初めて転職エージェントを利用する人が最大限にエージェントを活用するコツをいくつか紹介します。エージェントを上手に使いこなして、納得のいく転職を実現しましょう。
- 複数のエージェントに登録する: 一社だけでなく2〜3社程度のエージェントに登録するのがおすすめです。複数利用することで紹介される求人数が増え、比較検討の幅も広がります。あるエージェントでは出会えなかった求人に別の経由で巡り合える可能性も高まり、結果的にミスマッチのリスクも減らせます。各社の強みを生かしながら「いいとこ取り」する感覚で活用しましょう。
- 面談では遠慮せず本音を伝える: キャリアアドバイザーとの面談時は、建前ではなく自分の本当の希望や不安を率直に伝えることが大切です。「年収よりやりがい重視」「実は残業が少ない職場を望んでいる」など、正直に話すことでアドバイザーも的確な提案ができます。遠慮せず自分の気持ちを伝えることが、納得できるサポートを受ける近道になります。逆に取り繕ってしまうとミスマッチの原因になるので注意しましょう。
- 合わないと感じたら担当変更を依頼する: 利用していく中で「このアドバイザーとは合わないかも」と感じたら、担当者の変更をお願いすることも可能です。担当者との相性は転職成功に直結すると言っても過言ではありません。紹介求人が希望とずれていたりコミュニケーションに違和感を覚えたりした場合は、我慢せずに運営側に相談しましょう。エージェント側も円滑な支援のために柔軟に対応してくれるはずです。
- 提供される選考対策サービスをフル活用する: エージェント各社が用意している書類添削や模擬面接などの選考対策は積極的に活用しましょう。プロの目線からアドバイスをもらうことで、自信を持って本番の選考に臨むことができます。特に20代で転職経験がない場合、自分のアピールポイントの伝え方や面接での受け答えは不安が多いものです。ぜひ遠慮せず「履歴書をチェックして欲しい」「模擬面接で練習したい」と依頼し、弱点を補強してもらいましょう。
- 最終的な意思決定は自分で行う: エージェントの提案や意見は非常に参考になりますが、最終的にどの求人を選ぶか、転職するかしないかを決めるのは自分です。担当者から勧められるままに決めるのではなく、自分の軸や直感も大事にしてください。エージェントはあくまで伴走者であり、あなた自身のキャリアの主役はあなたです。提供された情報を踏まえつつ、自らも企業研究や自己分析を行い、悔いのない選択をしましょう。
以上のポイントを押さえておけば、初めての転職エージェント利用でも有意義なサポートが受けられるはずです。20代は可能性に満ちた時期です。エージェントという心強い味方を賢く活用して、ぜひ理想のキャリアへの一歩を踏み出してください。
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